性質の用語解説
張明澄の説明の骨格を示す。ここで挙げる反応は原著者の分類論であり、現在の利用者に同じ反応が必ず生じるという保証ではない。S08は温涼を自律神経の語でも説明するが、その対応を全食材で確立した機序とは扱わない。〔S08 PDF23–27頁〕
温
張氏は、継続して食べたときの機能の高まりや冷えとの関係から説明する。体質に合う場合の食欲・活力への評価と、合わない場合ののぼせ・不眠などへの評価を対にしている。料理が熱いという意味ではなく、すべての温性食品が同じ反応を生じるという意味でもない。
涼
張氏は、熱・興奮に偏った状態を鎮める側の性質として説明し、対象によっては冷え・軟便・食欲低下などに結び付くとも述べる。氷や冷蔵の有無とは別の分類である。個々の食品では鎮静だけでなく別方向の用途が並ぶこともある。
寒
寒・微寒は他の本草・養生文献で用いられる温涼の表現である。張氏の涼という分類と比較する際は出典ごとの用語を保持し、強さを共通の点数へ変換しない。
補
張氏は滋養、体力、補血、排泄を抑える方向などから説明する。食品のエネルギー量やたんぱく質量の別名ではない。補を必要とする状態との適合を考える語であり、補性食品を無制限に増やすという意味ではない。
瀉
張氏は排泄を促す方向などから説明し、体質に適さない場合や過剰では体力を損なう可能性も論じる。単なる下剤の同義語ではなく、便、汗、尿など何を対象とした説明かを各食材で読む。
燥
張氏の体系では体内水分を外へ出す側の性質として記す。食品中の水分が少ないことや乾燥製品であることと同義ではない。きゅうりやぶどうのように水分を含む食材も、張氏は燥に分類する。
潤
張氏の体系では体内水分を保つ側の性質として記す。水分不足や乾いた状態への評価と、水分が余る状態への不適合が対になる。水分含有量、油分、とろみのいずれか一つで判定する分類ではない。