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大和心

第40回 三貴子って?-2

著者:小山一夫 / 公開日:2022-03-25

掲載準備版・未公開。公開日は元ブログの投稿日です。

古事記の禊祓いの段で、伊邪那岐命から天照大御神は「高天原」、月読命「夜の食国(をすくに)」、建速須佐之男命「海原」をそれぞれ治めるように言われます。これはギリシャ神話の3兄弟、ゼウス「天界」、ハデス「冥界」、ポセイドン「海界」の区分けに類似しています。

ギリシャ神話でも冥界の王に割かれているページが少ないように、古事記でも月読命の登場する話はほとんどありません。しかし古神道では、この三貴子はそれぞれ重要な役割を担っており、ひと柱といえ欠けるわけにはゆきません。

外国の神話との比較も興味深いです。

古事記では左目から天照大御神、右目から月読命が生まれますが、中国の盤古神話では盤古が死んだ時に、左目が太陽、右目が月になったとされています。ミクロネシアのギルバート諸島にも、3兄弟の末弟の目を天に向かって投げたところ、左目が太陽、右目が月になったという神話があります。

飛鳥時代(592年–710年)には、都の人口のおよそ三分の一が渡来人だったという説もあるので、古事記が飛鳥時代に書かれていたことを考えれば、他国の神話の影響を受けていたとしても不思議ではないでしょう。

飛鳥の石造物には遠くペルシャ文化の雰囲気も窺えます。黄泉の国の神話と、妻を生き返らせるために冥界へ行ったギリシャ神話のオルフェウスの話は、読み進むにつれて似たような展開になってゆきますし。

「見るな」と言われていたのに見てしまうことで悲劇を迎えるストーリーは、古事記でも3話、そして旧約聖書の創世記では2話、ギリシャ神話のパンドラ、オルフェウス、プシュケー等の神話にも共通するものがあります。この機会に、ギリシャ神話や古事記などを読み比べてみるのもいいでしょう。きっと新たな発見があると思います。