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大和心

第46回 三種の神器-3

著者:小山一夫 / 公開日:2022-03-31

掲載準備版・未公開。公開日は元ブログの投稿日です。

古代から剣璽は陛下とともにあるのが大原則とされ、戦前まで天皇陛下が1泊以上のご旅行で皇居を離れる際、必ず侍従が剣璽を携えて随行していました。これを「剣璽御動座」といいます。

戦後は警備上の問題などから大幅に回数は減少し、伊勢神宮参拝に限って行われているようですが、原則は常に天皇陛下の傍にあるべきものとされてきました。

つまり神界に通ずる神器を常に傍らに置くことで、天皇陛下は意識せずとも鎮魂をなさってこられたわけです。それにより陛下が国と国民の安寧繁栄を祈る宮中祭祀を行う上で必要な霊力を養うことができようになります。

つまり三種の神器は、天皇陛下の祭祀にとって不可欠なものなのです。

昭和の入江侍従長の時代に、宮中祭祀は大幅に削減・簡略化され、その後も幾たびか見直しを繰り返してきたため、現在の宮中祭祀はかつてと比ぶべくもないほどに少なくなっています。

それでも現在、主要な祭儀だけでも24回あり、さらに毎月の旬祭には月に一度天皇陛下のご拝礼があります。またその祭祀の前に行われる数日間のご準備まで考えますと、ほとんど連日のように神々に接しておられるわけです。

最も重要な宮中祭祀は新嘗祭ですが、こちらは毎年11月23日夜に始まります。天皇陛下は暖房もない神殿の堅い板の上に座布団も敷かずに2時間(かつては4時間以上)も正座しなければなりません。そのためかなり前から正座の鍛錬をされます。体力、霊力、気力がすべて充実していなければ、この新嘗祭を全うすることはできません。

その前日には鎮魂祭(新嘗祭に臨む天皇陛下の霊力を強くするための祭祀)が宮中はじめ石上神宮などで行われますが、それほどまでに宮中祭祀は古代から厳格に執り行われてきたのです。