ところで一般の神社の本殿内に祀られている神鏡は、ご祭神のご神体(御霊代・神の鎮まるもの)です。しかし拝殿の神前に置かれている鏡や自宅神棚の社前の鏡は、やや意味が異なります。こちらには、社殿の扉を天岩戸に見立て、その前に鏡を置くことで、社殿内に鎮座する神々の神威を受けようという意図と、神直日大直日の働きによって自らを顧みるという意味があるのでしょう。
神の霊魂は神眼で見ると輝く球体に観えるので、円形の鏡が採用になったのだと思われます。この神鏡は自分の霊魂を映し出し、穢れなき浄心かどうか自問する切っ掛けとなるものです。
古神道で三種の神器は鎮魂の器械であるとされ、天皇陛下は祀られているこの八咫鏡を通して天照大御神と合一すると考えられています。鎮魂は神との合一を高めるための「法」であり、古神道の基本と言っていいでしょう。