
ゼフィレッリ監督の「ブラザーサン&シスタームーン」という映画があります。
主題歌はドノバンで、内容的にもとても美しい映画です。
ボロボロの布を纏ったフランチェスコが神聖に目覚め、最後に、弟子たちを引き連れて、バチカンへ行く話です。
故郷で迫害を受けた彼らは、法王に自らの信仰の在り方が、正しいか、それとも誤っているか、と問いかけますが、そこで映画は、驚くような結末へと展開してゆきます。
彼の言葉にいたく心を動かされた法王は、大聖堂の広間で、茫然としながら、指を天に向かって差し伸べ、しばし、眼を大きく見開いたまま、立ち尽くします。
そして、フランチェスコを面前に呼び戻します。
法王は、金襴の法衣を脱ぎ、純白の衣のまま壇を降りて、フランチェスコの手を取り、胸元でしっかりと握り締め、静かに語りかけます。
「貴方たちに会って、私は喜びと共に悲しみを感じている。
随分昔だが、はじめて聖職についた頃、私も皆と同じ気持だった。
だが、時が経つにつれて、いつしか熱意も薄れ、教会政治に忙殺されるようになった。
私達は富や権力の厚い殻をかぶっている。
貴方たちの清貧さに、私は自らを恥じる。」
さらに法王は
「神の宿りは、その手に、そしてその足に」と祝福を与えながら、なんと、フランチェスコの足元に跪き、泥に汚れた裸足の甲に口づけをします。
最初にフランチェスコの言葉を聴いた時の愕然とした法王の表情がとても印象的でした。