一方、自然界の生物には、特定の条件下でオスになったりメスになったり性転換するものが少なからず見受けられます。ただそれはほとんどが海中の生物に限られるように聞いていますが。
たとえばホッカイエビは、成長途中に性転換することで知られています。一番多いパターンとしては、生後0歳までは未成熟なオスの状態で過ごし、1歳になると今度はオスとして成熟します。そして2歳になると今度はメスに形態を変化させ繁殖に参加するのです。これと似たケースには、真鯛やクロダイなどがいます。
真鯛など赤い鯛は生まれた時は両性状態で、少し成長するとほとんどがメスとなり、成熟する頃にはオス・メスがほぼ半数ずつになるそうです。一方クロダイは生まれた時はほぼ全数がメスですが、成長するとほとんどがオスとなり、成熟する頃には、真鯛のようにオス・メスが同数になっていくそうです。
また出会い方によって性転換するものもあります。コブダイは生まれた時はメスですが、成長後にメス同士がケンカをし、勝った方がオスに性転換して繁殖を行います。ダルマハゼなどは、オス同士やメス同士が出会った時に、体の大きい方がオス、小さい方がメスに性転換します。
魚の世界では、このように自然な流れで性転換する種が珍しくありませんが、中には驚くようなケースも見られます。サンゴ礁に生息する小さな魚、チョークバスはパートナーとペアを組んで、1日に20回も性的役割を変えながら繁殖に励むといいます。
生息環境によって性転換する例としては、メダカがいます。性別が決まる前の過程で飢餓状態によって栄養状態が変わると、本来、メスになるはずのメダカの20%がオスになるという報告がなされています。
有史以来すべての生き物は、より多くの子孫を残せるように進化してきています。恐らくは度重なる氷河期や隕石の衝突などによる生物絶滅の危機を乗り越えるために、種の保存を目的として自然な流れで性転換メカニズムが選択されたのでしょう。