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大和心

第149回 武道と神伝-1

著者:小山一夫 / 公開日:2022-10-17

掲載準備版・未公開。公開日は元ブログの投稿日です。

弓聖・阿波研造翁。

「目も眩(くら)む五彩(ごさい)の中、天地宇宙に轟々(ごうごう)たる大波紋が充満した」

後述する合気道開祖・植芝盛平翁の「黄金体」と並んで、達人の稀有な神秘体験として知られる阿波研造翁の「天来の妙音」も凄まじいものだったといいます。

そして武道家ではありませんが、真言密教を日本に伝えた弘法大師空海も、中国に渡る前に室戸岬で極め付けの体験をしている。それは彼の著作「三教指帰(さんごうしいき)」において次のように記されています。

「土州室戸の崎に勤念す。谷響きをおしまず、明星来影す。」と。

ここで注目したいのは、阿波翁の「目も眩む五彩」「天地宇宙に轟々たる大波紋が充満」という部分と、空海の「谷響きをおしまず」「明星来影す」という部分の符合です。私は、彼ら二人が期せずして同様の体験をしている点にとても興味を持ちました。

「目も眩む五彩」も「明星来影す」も共に眩(まばゆ)い光の出現を指し、「轟々」というのは「物音がとどろきわたるさま」で「振動」を意味しており、これはまさに「谷響きをおしまず」に相当します。これらの重要な要素の符号は単なる偶然として片付けられないと思います。