神道と日本の記事一覧

大和心

第168回 建御名方神

著者:小山一夫 / 公開日:2022-11-21

掲載準備版・未公開。公開日は元ブログの投稿日です。

地震国日本は今に始まったことではありません。

記録に残っている中で古いものと言えば、839年に岩手で地震が多発、869年には三陸沖でマグニチュード8・3と言われる大地震が起きています。

日本列島には関東から九州にかけて延びる、日本最大級の断層「中央構造線」があります。また、本州の中央部には日本を縦に分断するようなフォッサマグナ(中央地溝帯。ラテン語では大きな窪みの意味)があります。フォッサマグナは東側の柏崎・千葉構造線と西側の糸魚川・静岡構造線の2本の線に挟まれた地帯を指しますが、このうち糸魚川・静岡構造線と中央構造線が交わるところに、諏訪大社があります。

諏訪大社に祭られているのは、建御名方神です。

古事記によれば、出雲の国譲りに反対した建御名方神が諏訪を訪れて、その地へとどまり、治めたとあります。諏訪大社は古くに造られた上社2社と後年建てられた下社2社で、エネルギーが大きく違います。

上社は強く激しく重いエネルギー、一方、下社は優しく柔らかな雰囲気です。

上社2社には本殿はなく、ご神体は御山。峻厳な自然そのものに手を合わせる拝殿が用意されています。

では、ご祭神として建御名方神が祭られているのはなぜでしょうか?

タケミナカタを言霊学的見地から見てみると、タケ=猛々しい、ミ=有形的な要素・体など、ナ=大地、カタ=一定の状態を保つ。つまり「猛々しい大地を一定の状態に保つ」という働きを意味するご神名になります。

つまり地震の多い国土を一定の状態(大地が安定している)に保つために、建御名方神はその名をもってとどまったのです。諏訪大社は、日本全国に末社が1万社以上もあります。軍神としても知られているので、各社がどんなコンセプトで諏訪神社を名乗るのかわかりませんが、建御名方神のエネルギーが、大地を少しでも安定させるように働いているのはきっと今も同じでしょう。

全国の一之宮の多くが中央構造線上に連なっているのをみますと、古代の神社と地震は深い関係にあるのかもしれません…。