
伊勢神宮が式年遷宮によって、檜の香り漂う若々しい社に生まれ変わりました。
この御遷宮の意義ですが、20年という期間の意味と共に、昔からいろいろな解釈がされてきました。
たとえば最近では、神宮禰宜の小堀邦夫氏が新説を述べられています。
氏は神宮司庁文化部長兼文教部長、せんぐう館館長でもありますので、伊勢神宮とは関係の深い方です。
女性セブン2013年5月23日号の記事によりますと、氏曰く
「遷宮には莫大な費用がかかります。当時、遷宮のために税を課していましたが、貨幣が流通していない時代ですから稲穀類で集めました。この最長貯蔵年が20年と決められていました。稲穀類を蓄積したものが税で、これを集めるために20年に1度の大きな計画が実行されてきたのです。」
他の雑誌でこの説を知った時、首を傾げてしまいました。当時も恐らく分割での支払いだったと思うので、20年である必要はないでしょう。先入れ先出しで、毎年支払いをしてゆけばいいのですから。
そうでなければ、部材を納品した人達はその支払いを、新たな社が完成するまで最大20年間待たされることになります。そんな条件で誰が納得するでしょうか?それに収穫は毎年あるわけですから、小堀氏の言う20年説の根拠は全く意味をなしません。
さらに氏は、下記のような話もされています。
「また、お宮を新しくすることで、“神様に、より強いお力を持っていただく”という意味もあります。御祭神である天照大御神は、八百万の神々に調和をもたらす神であり、皇祖神でもある。古代の日本人は、神様とともに生きてきました。天照大御神の力が強まれば、その子孫である天皇陛下に対する国民の信頼も大きなものになると考えられたのでしょう」
文面から神宮を愛する思いが伝わってくるようで「その通り」と、つい言いたくなるところですが、この説ですと残念ながら20年という期間の意味を説明していませんし、また「お宮を新しくする」ことで「神様に、より強いお力を持っていただく」というのも私には素直に頷けません。