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大和心

第262回 明治天皇御製  古の 人のまことを 知るたびに

著者:小山一夫 / 公開日:2023-07-02

掲載準備版・未公開。公開日は元ブログの投稿日です。

明治35年の御製です。

古の 人のまことを 知るたびに

ふみはしたしく なりまさりけり

明治神宮の「365日の大御心」では、次のような口語訳になります。

「古い書物を読んで、その当時の人のまごころを知るたびに、書物がますます身近な親しいものになり、まさってくることだ。」

和歌としての解釈はその通りだと思います。

ただ御製となると、少し違うと思うのです。

なぜなら普通の人なら「心」を読むわけですが、明治天皇の場合は「大御心」だからです。

つまり私人としての歌人ではないのです。

明治35年は、政府(文部省)に国語調査委員会が設置された年です。

この委員会は、漢字廃止(音標文字化)を前提として設立されたものでした。

森有礼文部大臣の言うように日本語を廃止したり、国語調査委員会の結論が漢字廃止であったら、日本はどうなるか、それは過去の文献を読める人がほとんどいなくなるという事です。

万世一系の皇統を戴くわが国の伝統、文化、歴史を捨て去ることに繋がります。

明治天皇は「諸事 神武創業之始ニ原キ」の精神を勅令され、その大方針に則った国づくりをお望みになっていたのに、なぜこのような事態になってしまったのか、お悩みになられたのではないでしょうか。

その年に詠まれたこの御製には、そのような大御心が込められていると思います。

私は、単なる和歌と御製を同じように解釈していいとは思いません。