
『夏の間、どんなに暑くても、避暑地に行くことはありませんでしたし、冬も避寒地に行くことはありませんでした。日本の各地に明治天皇のための別荘ができていましたが、一度も行ったことはありません。側近が静養を勧めると、天皇はこう応えるのです。朕は臣民の多くと同じことがしたい。天皇は日本人の多くが酷暑、酷寒にもかかわらず働いているのに、自分だけが一人のんびりと静養する気にはとてもなれなかった。』(「明治天皇を語る(新潮新書)」)
当時の500万円をかけて建設した東宮御所もそうですが、各地の御用邸も明治天皇の指示で造られたものではなかったようです。神武創業の精神と質素倹約を旨としていた陛下は、結局一度も行かれませんでした。
例えば、西洋の王族や中国の皇帝であれば、国民に寄り添うこと等ほとんど考えていなかったでしょうから、当たり前のように避暑に出かけたと思います。ですが明治天皇は常に国民に寄り添い、贅沢をよしとはしませんでした。自らを厳しく律し、人々には優しいという大御心が窺えます。
ドナルド・キーン - Wikipedia

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