神道と日本の記事一覧

大和心

第437回 大祓祝詞を考える―17(2/2)

著者:小山一夫 / 公開日:2024-07-13

掲載準備版・未公開。公開日は元ブログの投稿日です。

つまり邇邇芸命御降臨の前に、秋になると稲穂が良く育つような葦原の国が存在していたということになる。

(注)「祝詞用語表現辞典」では、「豊葦原の水穂の国」を「日本国の美称。葦が生ひ茂りみづみづしい稲穂がみのっている豊かな美しい国の意」とする。多くの文献では日本を指すとあるが、日本だけに限定するのが妥当かどうかは検討の余地がある。なぜなら邇邇芸命のご職掌は日本に限定されるものではないからだ。日本書紀の「橿原奠都の詔」にあるように「上則答乾霊授国之徳、下則弘皇孫養正之心。然後、兼六合以開都、掩八紘而為宇、不亦可乎」つまり「八紘(あめのした)を掩(おお)ひて宇(いえ)にせむ」の精神から言えば本来は世界全体を指すといえよう。ただ「豊葦原の水穂」という部分を重視するなら世界の中で特に日本を指すというのも可か。

(注)「善言美詞」では、「豊葦原の水穂の国」を「全世界すなわち五大州のこと。これを極東のある国のこととするのが従来の学者の謬見(誤った見方)であった。日本を指す時には、豊葦原の中津国、または根別国などと「古事記」にも区別して書いてある」。「安国と平けく所知食せ」を「衣・食・住の業を安全に示し教えることをいう」とする。