またその年の御警告を賜わって昭和三年には(七首の中)
⑯ その前徴など思はざる今の世は安きに馴るる時にあらなく
⑰ 心せよ国内のみかは海の外浪風あらきこともあれれば
㉑ 起り来る不祥事のかずかずも神のきためと人は知らずや
と詠み賜わり、神と人とについては
㉓ 神の道知らぬ人よりうたてきは神知りがほの人にてありけり
㉕ 世の中の善事まがごと大方は正しき邪しき神のみこころ
⑪ 人皆の直き曲れる善き悪しきつばらに神は知しめすなり
㉗ あしき業思ひもなせそ秘め置ける心の底も神は知るなり
と世の学者指導者を痛烈に批判し、正神界邪神界の存在を明示し、人心の秘事は尽く神の照覧のもとにある点を指摘しています。又神の普辺性(世界)を教えて、
⑧ 天地の理を知れ天地は神ながらなる神の御教
⑨ 天つ日の日影うららに物皆を生し育たすは道の大本
と道神不二をさとされ、
㉚ 皆人の祈るこころにすき間あらばそのひまにつけ禍津憑り来ね
㉛ 政事みな皇神の御心を受けて行ふ世となりなばや
㉜ いやが上に君が代祈れ大御民かみは常盤に守りませども
㉝ 仰げただうつしき国民あふげただあが日の御子は唯人にまさず
と国民の信念の置きどころを教示され、更に我国と外国とについては、
㉟ 国にみな国魂はあれどいやちこ(灼然)に幸へますはこの大御国
㊱ 内外の差別こそあれ異国も神の御稜威にいかでもるべき
㊲ 神国といふよしを知れ外国も神の御稜威にもるるやはある
㊳ 神代より常世の浪の重波の寄せくる国ぞすめら御国は
と神界は我国のみのものでなく、全世界のものであるが、国魂の神を厚く祀り道立ちてその幸を受ける国故に神国であり、常世の浪の重寄する国が皇国であると示唆に富んだ表現をして居られる。そし て我国風を、
㊴ 神を斎き君に仕ふる誠心これ皇国の御国風なり
㊵ 国民は我が国風をならへただ外国ぶりはとまれかくまれ
㊶ 真赫き伊照りとほらす天津日にたぐへて思へ神のみすがた
とさとして居ります。』(『本田親徳研究』)