戦後の本田霊学の継承に関する考察は、まず佐藤卿彦先生の紹介、そして佐藤先生の弟子達について、特に大久保藤男翁、横山信行氏、渡辺勝義氏を中心に、皇法の伝承、鎮魂法、帰神術をテーマに考察する。その後、佐藤先生と鈴木重道氏の著書等を参考として、佐藤先生による公式・正式幽斎の偉業を振り返りたい。

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また幽斎の稽古に来た人達の中でも鎮魂石を頂ける方は少ないのに、渡辺氏は自らの不注意で鎮魂石に鎮まられていた天宇受賣大神の御神霊が神上がってしまったために、再度授けてほしいと申し出ていた。鎮魂石を二度もらった人は、後にも先にも渡辺氏ひとり。仕事の接待とはいえ水商売の店や、日常的にトイレなどに持っていくとは何とも情けない話だが、過失とはいえ悪意がなかったことで先生も了解された。
渡部氏によれば、本田翁の
『此鎮魂ノ法ハ天授ノ神法ニシテ現世神界ノ学則ナレバ、上ハ天皇ノ治国平天下ノ御事ヨリシテ、下ハ人民修身斎家ノ基本、続テ無形ノ神界フ探知スルノ基礎ナレバ、宜敷朝夕之ヲ懐中二秘シ、事業ノ閑暇ハ謹テ是フ省ミ之ヲ行ヒ、霊魂ノ運転活動ヲ学習スペシ。』
の「宜敷朝夕之ヲ懐中二秘シ」をそのまま言葉通りに表面的な解釈をし、不浄の如何に関わらず日夜持ち歩いていたという。
本田親徳全集をそこまで丹念に読み込んでいたのには感心するが、文章の解釈を誤っていたこと、そして授けて頂く際の御注意を失念していたのは残念だ。筆者も50年近く本田霊学を学んでいるが、記憶を遡っても、そういう方は他に一人もいない。恐らく本人に強い焦りのようなものがあったのだろう。