戦後の本田霊学の継承に関する考察は、まず佐藤卿彦先生の紹介、そして佐藤先生の弟子達について、特に大久保藤男翁、横山信行氏、渡辺勝義氏を中心に、皇法の伝承、鎮魂法、帰神術をテーマに考察する。その後、佐藤先生と鈴木重道氏の著書等を参考として、佐藤先生による公式・正式幽斎の偉業を振り返りたい。

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ところで横山信行氏は、16年目に体を切ったとのこと(本人談)。単純に比較はできないが、それは横山氏の姿勢にも関係していたのかもしれない。彼はその間全くといっていいほど本田霊学の勉強をしていなかったからだ。ご本人曰く「僕は積読だから」。つまり部屋に本が積んであるだけで、開いたことはないとしばしば言っていた(当時の常連の人達は皆聞いていたが)
ただ、国学院大学神道科の卒業論文を書く頃になってから、霊学関係の本を真剣に読むようになったそうだ。審神者は神主に質問をしなければならないので、恐らくその為でもあったのだろう。そして佐藤先生と大久保翁が帰幽されてからは、下記のように精力的に本を出してゆく。何らかの心境の変化があったのだろうか。(佐藤先生が帰幽されたのは1986年、大久保翁が翌1987年)
① 「佐藤卿彦先生遺稿遺影集」(1987)、②「古事記神理解・現代語訳」(1988)、③「惟神・現代語訳」(1990)、④「難古事記・現代語訳」(1991)、⑤「本田親徳の霊学思想と鎮魂法と帰神について」(1992)、⑥「滄海窓間答・現代語訳」(1994)、⑦「顕神本田霊学法典・改訂版」(1997)、⑧「エマニエル・スエーデンボルグの霊学思想及び霊魂観-本田親徳との比較研究」(2003)、⑨「禅学思想と本田霊学との比較研究」(2008)、⑩「本田霊学解説書」(2016)。