神道と日本の記事一覧

大和心

第846回 本田霊学の継承 戦後編-72(2/2)

著者:小山一夫 / 公開日:2025-05-07

掲載準備版・未公開。公開日は元ブログの投稿日です。

その后水位先生が、肉身の儘入られたと言う神仙界の絵図等が修められてある物置に入り多種のこの界の絵を見た。この中には例えば飛魂法で視た宮殿とか、神集岳の橋の形、名称が一致し敬嘆したものである。明治の宮中掌典にして本朝神仙記伝の著者である宮地厳夫先生が、明治天皇から御下賜の装束もあった。今になって思えば、神とは隠り身であり、神界とは唯白銀色の威怖すべき厳然たる界である事が徐々に解り始めたが、当時の若い私には、絶対の信頼をおいていたものである。その后上州赤城山の小沼で龍神に乗った少女の姿を視せられたり、相州大山阿夫利神社とか小田原早川の紀伊神社等で種々な目に遇わされた。後に佐藤先生にお教えを受ける様になって過去の誤りを深く反省し、徐々に解りかけた次第だが、今迄の事でも、忍耐とか努力が身につき、過せし方を無駄にしたくないと思った次第である。

それにしても今少し若い頃に、先生にお逢いできお教えを受けたかったと思うが、之も各人に与えられた宿命であろうし、例え晩年になっても、神縁によって正しい道に就いた事は私の一生の最も有意義な事であり、大いなる感謝の念を禁じ得ない者である。』(「佐藤卿彦先生遺稿遺影集」)

大久保翁からこの赤城山の竜神の話を聞いたことがある。正野氏と同行された時、沼に突如竜が出現し、一同驚愕。鱗が一枚一枚鮮明に見えるほどリアルだったそうだ。その時は竜神だと思ったが、後になって神仙界の霊が見せたものとわかったという。神仙道(大久保翁曰く天行居は神仙道との事)では、このようなことはしばしばあり、大久保翁も当時は本気にしていたとのこと。

その他、翁の神仙道時代の体験をいろいろ伺ったが、驚くような話ばかりでとても興味深かった。特に飛魂法については初めて聞くことばかりで、この世の話とはとても思えなかった。