これは大国主神が海より来る神に問いかける「神の自感法」と、御諸山の上に鎮めた「神の鎮魂(みたましずめ)」。鎮めた神の御名は大己貴神の幸魂奇魂とされている。
『大国主神は〔または大物主神と申し、または国作大己貴命と申し、または葦原醜男と申し、または八千戈神と申し、または大国玉神と申し、または顕国玉神と申す〕、その御子は合わせ百八十一神であった。さて大己貴命は、少彦名命と力を合せ心を一にして、天下を経営され(中略)
こういう次第で、「今だ一人である。私と一緒に天下を治める者は、思うに、いるだろうか」と仰せられた。その時、神しい光が海を照らし、忽然と浮んで来る者があった。そして、「もし私がいなかったら、あなたはどうしてうまくこの国を平定できたであろうか。私がいたからこそ、あなたは国を平定するという偉大な功績を立てることができたのだ」と言われた。そこで大己貴神は問うて、「ならばあなたはいったい誰だ」と仰せられた。答えて、「私はあなたの幸魂・奇魂である」と言われた。大己貴神は、「確かにそのとおりだ。あなたは私の幸魂・奇魂であることがすぐに分った。今どこに住みたいと思うか」と仰せられた。答えて、「私は日本国の三諸山に住みたいと思う」と言われた。そこでその神の宮殿を三諸山に造営し、そこに住まわせた。これが大三輪の神である(中略)。』(小学館日本書紀)