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大和心

第945回 本田霊学の鎮魂法と帰神術について-35

著者:小山一夫 / 公開日:2025-07-22

掲載準備版・未公開。公開日は元ブログの投稿日です。

本田親徳翁の「鎮魂法と帰神術」について考察したいと思います。

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宮中鎮魂祭は、3つの要素で構成されている。

「宇気槽撞き」「木綿結び」「御衣振動」である。

「宇気槽撞き」は、宇気槽の上に立ってそれを撞く儀であり、これは古事記「天石戸神話」によるもの。これにより「古語拾遺」に「鎮魂の儀、天鈿女命の遺跡なり」と記載されるに至る。これは神の帰神術の例として知られるものだが、それを鎮魂祭の中に関連付けられていたことが、後世の学者達を迷わせているのかもしれない。この儀には、「宇気槽を踏む」「桙でつく」の2要素がある。これらは「受霊」と「祓い」を暗示するものだが、それは帰神の前段階にあたる。

「木綿結び」は、魂の緒の遊離を留めるという意味合いであり、ムスビによる「みたましずめ」に相当しよう。

「御衣振動」は、饒速日命の十種の神宝を用いた呪に由来するとされるが、実態は「みたまふり」にある。この振魂は、霊威を高めるという目的もあろうが、技術的には人間の側から神の働きを願うという意味合いがある。これは意味は異なるものの、伊邪那岐命による「御頸珠の玉の緒母由良邇取り由良迦志」に由来する。

ここまでを見ると、鎮魂祭は、「祓い」「みたましずめ(安定とムスビ)」「みたまふり」という要素によって成立することがわかる。いずれにしても鎮魂祭は天皇の参加なく、御神霊を対象として、天宇受賣大神の神話に基づいて行われる儀式であるということ。故に「古語拾遺」は「鎮魂の儀、天鈿女命の遺跡なり」という説を採用したのだろう。ただしここでの「鎮魂の儀」が、宮中鎮魂祭を意味していることに留意する必要がある。