2022-01-31 著者:小山一夫
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日本の漢方薬は、その名の通り中国の漢の時代の処方という意味に解釈してもいいでしょう。
悲しいことに日本の漢方医学は、そのほとんどが「傷寒雑病論(2世紀末の後漢時代の医師・張仲景が著した本。傷寒論と金匱要略の原本)」後の優れた中国医学理論の恩恵を受けていない古典的なレベルの理論に基づいています。
証の判定も適切ではなく、中国では神農本草経や黄帝内経とともに中国医学における三大古典のひとつとして評価されている理論を金科玉条のように大事にしています。
中国ではその後、温病理論を経て、近代に至っては近代西洋医学との融合も進み、その薬剤をも利用した処方が組まれています。
その結果、治療効果も向上してゆきました。
この時代の中国医学の医書の特徴として、病名については先ず西洋医学的診断を経て病名を定め、その後に中国医学的病候論で再分類する方法を採っています。
例えば、西洋医学で肺結核を完全に治せるようになったのは、第2次大戦後に抗生物質が活用されるようになってからですが、中国では1909年に張錫純によって第3期まで病気が進んだ患者ですら全快させうる確実な治療方法が完成されました。代表的な処方として石膏阿斯匹林(アスピリン)湯が有名です。
張錫純は西洋医学と化学を研究し、西洋の解剖生理学と中国の機能生理学とを結合させ、独自の優れた理論体系を作り上げただけでなく、西洋医学的な薬物を中国薬物学の原理で分析し、肺結核等の難病の治療に応用しました。
彼の著した「哀中参西録」は中国医学史上でもっとも内容がしっかりしている本として有名です。
東西の医学を融合させた画期的な処方を提案し、ある種の疾病について西洋医学以上の治療効果を発揮した歴史に残る名著だと高く評価されています。(私も原書を買って読み始めましたが最初の方で挫折しました、、、難しすぎて完敗です)
追記
「風邪をひいたら葛根湯!!」とかの宣伝を見ますが、桑木先生の著書ですと8種類ある処方の一つにすぎません。
また風邪がこじれた時の10種類の処方中には、全く見当たりません。
葛根湯が適応できる風邪の症状は極めて限られているということです。