西暦1879年
日本の出来事
教学聖旨――知識と道徳をどう教えるか(1879)
教学聖旨は、明治天皇の教育についての考えを、側近の元田永孚がまとめた文書です。前年の巡幸で学校の状況を見たことなどを背景に、知識や技術の習得に偏らず、仁義忠孝といった道徳を教育の根本に据えるよう求めました。
「仁」は人を思いやること、「義」は道理にかなう行い、「忠」は君主などへの誠実さ、「孝」は親を大切にすることです。西洋の学問を取り入れる速さと、従来の道徳をどう保つかが問題になっていた時期でした。ただし、これだけで全国の授業が一律に決まったわけではなく、政府内でも教育の目的や方法をめぐる議論が続きました。
出典・参考:文部科学省・学制百年史
世界の出来事
独墺同盟――ドイツとオーストリアの結び付き(1879)
ドイツ帝国とオーストリア=ハンガリー帝国は、ロシアからの攻撃に備えて同盟を結びました。「独」はドイツ、「墺」はオーストリアの略称です。バルカン半島をめぐってオーストリアとロシアの関係が悪化する中、ドイツの宰相ビスマルクは、自国の安全とヨーロッパの力の均衡を保とうとしました。
同盟は、攻撃を受けたときの援助や中立の条件を約束するもので、単なる友好宣言とは異なります。のちにイタリアを加えた三国同盟へつながり、各国は複数の条約を組み合わせて孤立を避けるようになりました。こうした外交関係は遠い欧州だけでなく、アジアでの列強の行動にも影響していきます。
出典・参考:ドイツ歴史博物館(ドイツ語)