一般財団法人 野萩青少年育成財団

鎮魂法と帰神術

先行公開・2026年10月11日

第5回 第5回

『此ノ神懸ノコト本居平田ヲ始メ名ダタル先生達モ明ラメ得ラレザリシ故二、古事記伝、古史伝トモニ其ノ説々皆誤レリ。親徳拾八歳皇史ヲ拝読シ、此ノ神法ノ今時二廃絶シタルヲ慨歎シ、岩窟二求メ草庵二尋ネ、終二三拾五歳ニシテ神懸三十六法アルコトヲ覚悟り、夫レヨリ幽冥二正シ現事二徴シ、古事記日本紀ノ真奥ヲ知り、古先達ノ説々悉ク皆謬解タルヲ知り弁ヘタリキ。』(「難古事記」巻六)

この幽斎の法は、「玄理ノ窮極、皇祖ノ以テ皇孫ニ伝ヘシ治国ノ大本ニシテ祭祀ノ薀奥ナリ」とある。本来は記紀にあるように、天皇或いは皇后等が中心となって行われるものであったが、仏教伝来などにより、神仏習合を背景にして次第に疎かになっていった。特にキリスト教対策で仏教による檀家制度が政策として進められるに至って、神道はより純粋性を失ってゆく。

 その後、幕末に国学が盛んになるにつれ、神道は再び脚光を浴びるようになる。そのような変革の時代を背景として、本田翁は「幽斎の法」の復興に取り組んでゆく。

『幽斎ハ宇宙ノ主宰二感合シ親シク八百万神ニ接ス。其ノ修シ得ルニ至テハ至大無外、至小無内、無遠近、無大小、無広狭、無明暗、過去卜現在卜未来トヲ間ハズ一モ通ゼザルハ無シ。是即チ惟神ノ妙法。常二服鷹スベキ者アリ。』(「神伝秘書」)

本田親徳翁は、神伝秘書に於て次のように述べている。

1.幽斎ハ宇宙ノ主宰二感合シ

2.親シク八百万神二接ス

幽斎は宇宙の主宰つまり天御中主大神に感合し、親しく八百万神に接するものであるが、問題はどのようにそれを実現するかにあった。そこで翁は、『岩窟二求メ草庵二尋ネ、終二三拾五歳ニシテ神懸三十六法アルコトヲ覚悟』られた。

その後も研鑽を重ねられ、『皇国固有ノ霊学ハ鎮魂、帰神、太占ノ三二シテ、禁厭ハ鎮魂ノ作用ノ一ナリ』(「霊学抄」)として古に途絶えた幽斎の法を再興するに至る。

以上のように本田霊学は、鎮魂、帰神、太占の三法から構成されているわけだが、皇法が基本にあることを忘れてはならない。

長沢雄楯翁はその点について次のように整理されている。

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