一般財団法人 野萩青少年育成財団

祓詞を読み解く

先行公開・2026年10月11日

第2回 前書き(2/2)

古神道の中興の祖とも言われる本田親徳翁は、顕斎と幽斎を明確に分けて説かれました。顕斎とは、形をもって形に対する神事(齎)です。幽斎とは、霊をもって霊に対する神事(齎)です。もちろん、顕斎を否定するものではありません。しかし、顕斎だけで神に通じることができるのかという問いは、祓いを考えるうえで避けて通ることができないと思います。近年、私自身も高齢となり、身の回りで亡くなる方が増えてきました。親しい人との別れを重ねる中で、人の命には限りがあることを、あらためて深く感じています。だからこそ、これまで学び得たこと、考え続けてきたことを、できるだけ整理して残しておきたいと思うようになりました。本書は、学問的な決定版ではありません。また、神道界に対して何かを断定的に主張するためのものでもありません。あくまでも、祓詞を手がかりに、ひとりの学び手として、祓いとは何か、神に通ずるとは何かを考えた私見です。読者の皆さまには、賛否を急がず、ひとつの問題提起としてお読みいただければ幸いです。

★なお、本書には一般の読者にも読みやすい本文と、神職・研究者・古神道に関心の深い方向けの専門的補足が含まれています。専門的な引用や考証の部分は、必要に応じて読み飛ばしていただいても、本書の大意は十分に汲み取っていただけると思います。

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