原文
凡神界ニアル者ハ一小兒ノ靈卜雖モ、亦皆自由自在ナル者ナリ。自由自在ナル者ニシテ自由自在ヲセヌ。是神界ノ神界タル所以ナリ。天國玉神トハ荒和奇幸ノ四魂卜直日トヲ合セタル名ナリ。神名帳他田坐天照御魂神トアルモ、同神ナリ。鏡作祖トスルノ説アルハ大ニ非ナリ。大日靈貴ハ體ノ御名ニシテ、御魂神ハ靈ノ御名ナリ。
伊勢向日女神ハ神鏡ニツケラレシ御魂ノ名ニテ、尊卑ノ別ハアレ共、人ニツケラレシ魂ノ如キナリ。
伊勢荒祭宮ハ伊勢之荒魂ナリ。高宮ハ日神ヲ祭リシ宮ニテ、タケノミヤト讀ムナリ。
現代語訳
神界にいる者は、幼い子供の霊であっても、みな自由自在である。その自由を持ちながら、勝手気ままには振る舞わない。これが神界の神界たるゆえんである。天国玉神は、荒魂・和魂・奇魂・幸魂の四魂と直日を合わせた名である。『神名帳』の他田坐天照御魂神も同じ神であり、鏡作りの祖神とする説は大いに誤っている。大日霊貴は身体の名であり、御魂神は霊の名である。
伊勢の向日女神は、神鏡に付けられた御魂の名である。尊さの違いはあるが、人に付けられた魂と同じようなものである。
伊勢の荒祭宮は、伊勢の神の荒魂を祭る。高宮は日の神を祭った宮で、「たけのみや」と読む。