原文
體ニ屬スル者アリ、力ニ屬スル者アリ、靈ニ屬スル者アリ。神氣ノ如キハ體ヨリ出テ神經ニ入リ、神經ヨリ出テ體ニ入リ、往來交通スル者又力ニ屬スル者ナリ。
禽獸等ハ四魂中ニテドレカ一毫丈受得シ者、之ヲ魂トハ云フヘケト、靈卜云フ可ス。草木モ閒々此類アリ。手ニ觸テ知覺ヲ顯ス如キ者、此ナリ。海月等ハ動物ニシテ知覺ナキ者ナリ。抑禽獸等ハ、直日魂ハ毫モ無之也。幸魂ノ作用モ己ヲ幸スル事ヲ知テ、他ヲ幸スル事ヲ不知者ナリ。餘三魂ノ作用モ亦推類テ知ヘキナリ。
人之能改過移善ハ皆直日ノ作用ナリ。何敎何書トテモ皆直日ニ本ツカサル者ナシ。獨り禽獸ノミ無此事ナリ。
一時妄想ノ興ヲ一時撲滅ス、猶興ラサルカ如シ。是皆直日ノハタラキナリ。
現代語訳
身体に属するもの、力に属するもの、霊に属するものがある。神気のように、身体から神経へ、神経から身体へと行き来して通じ合うものは、力に属する。
鳥獣などは四魂のうちのどれかを、ほんのわずか受け取ったものである。それを魂とは呼べても、霊とは呼べない。草木にも時に同じ例があり、手で触れると知覚を示すようなものがそれである。クラゲなどは、動物でありながら知覚のないものである。鳥獣などには直日の魂が少しもない。幸魂の作用についても、自分を幸せにすることは知っていても、他者を幸せにすることを知らない。残り三魂の作用についても、これから類推できる。
人が過ちを改め、善へと向かえるのは、すべて直日の作用である。どの教えも、どの書物も、直日を根本としないものはない。ただ鳥獣だけには、この働きがない。
一時的に生じた妄想を、その場で打ち消せば、初めから生じなかったのと同じである。これもすべて直日の働きである。