一般財団法人 野萩青少年育成財団

十牛図考

先行公開・2026年10月11日

第5回 第5回 ヨーガと禅

ヨーガと禅

そもそも禅とは、ヨーガの根本経典であるヨーガスートラにも登場するディヤーナ(静慮)が中国語に音写されて「禅那」となり、後に「禅」の一字になったのがその語源。達磨は、400~450年頃に編纂されたヨーガスートラとほぼ同じ頃に生まれたと想われるが、当時のヨーガは今日流行しているような肉体的な鍛錬ではなく、坐禅のような瞑想が主だったことは広く知られている。もっとも坐禅以外にも、立禅、歩行禅、臥禅など様々な形式があるので、ヨーガでも禅でも、禅定に際しては必ずしも「坐」に限定していない。釈迦涅槃像を見ればわかるが、釈迦も死に際しては臥禅(横たわって行う禅)で涅槃に入ったとされている。

私の手元に増演易筋洗髄内功図説という文献がある。少林寺真本と記された和綴じの全6巻が厚手のケースに収められている。これは中国のある老師から頂いたものだが、その序によれば、この易筋経と洗髄経の二経は達磨によって少林寺に伝えられたとある。内容は、動的&静的な内功法で、経絡医学を駆使した導引や行気などの技法の色彩が強い。言うまでもなく経絡医学は中国で発達した学問だから、インド出身の達磨とダイレクトに結びつけるのは難しいが、達磨が伝えた技法を、その後、中国的に解釈し、より進化させたものだと考えれば納得できる。

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