一般財団法人 野萩青少年育成財団
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秘伝の伝承-3

2022-05-10 著者:小山一夫

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佐保田博士の「ヨーガの宗教理念」には、ラーマナ・マハーリシ師のダルシャンの様子が書かれています。師が得意とした凝視によるダルシャンとは、どのようなものだったのでしょうか。

 

博士によれば「彼は入門者の方へ燃えるような眼を向ける。すると、彼の両眼の輝きと力とが、その弟子の心を貫いて、その想念の連続を破壊してしまう。時として相手は、まるで強力な電流が流れ込んだように感じたこともあった。」とのことです。

 

この場合も当然シャクティパッドの力が働いているわけですが、これも沈黙の内に真理を伝える一種の粘華微笑だといってよいでしょう。

 

ヘルマン・ヘッセ(1877-1962)の「シッダールタ」の最終章にも、強烈なシャクティパッドの様子が描かれています。シッダールタとは釈迦の出家前の名前ですが、この作品では釈迦ではなく、ある青年にその名を与え、彼が悟りに達するまでの波乱万丈とも言える人生を描いています。

 

翻訳者の高橋先生が後書きに記しているように、「涅槃に入った仏陀の教えを説いたり、成道を讃美したりするのでなく、あくまでヘッセの宗教的体験の告白」だからです。(新潮文庫)

 

この本はヘッセ作品中、欧米でもっとも読まれているものですが、ヘッセ自身かなり真剣に取り組んだことがその言から伺えます。

 

『「そのとき、もちろん、初めてではなかったが、いつもよりもきびしく、自分の生活しなかったことを書くのは無意味だという経験をした。」と彼は表白している。彼はあらためて、禁欲、瑜伽の業にいそしんだ。』(P155)。


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