2022-05-25 著者:小山一夫
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生れ変りを説く輪廻転生思想は、古代インドからのものだと誤解されている方々が少なくありません。
実際には、BC600年前後に突然ウパニシャッドに登場したわけで、それ以前には、私の調べた限り、世界中に存在していません。
アーリア人がインドに侵入したのはBC1500年頃で、リグ・ヴェーダが成立したのはBC1200~1000年とされています。
BC1000年頃には他の三種類のヴェーダが成立しますが、これらのヴェーダには輪廻転生思想についての記述は全くありません。
なぜならインドの土着民族そして侵入者たるアーリア民族のいずれにも、輪廻転生の思想がなかったからです。
ではいつ頃から言われ始めたのかというと、文献的にはBC7~6世紀頃に編纂されたチャーンドーギヤ・ウパニシャッドに、5火2道説として登場するのが初出なのです。
それでも現在言われているような内容とはかなり趣が異なりますが。
ただ興味深いのは、この輪廻転生思想が、宗教を本職とする専門家集団であるバラモン階級から出たものではなく、王族や軍人たちの支配的権力階層から言われ始めた点です。
私はこの輪廻転生思想を、当時の強圧的な階級制度と関連付けて考えています。