一般財団法人 野萩青少年育成財団
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禅の十牛図 考-36

2024-11-17 著者:小山一夫

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禅の十牛図について技術的な側面から解説します。
(「悟りに至る十牛図瞑想法」より)
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廓庵版と牛の色
ところで前述のように、日本の禅宗は、中国でほとんど相手にされていない廓庵版を選択した。欧米では日本から伝わったこともあって廓庵版が主流だが、これは他の牧牛図と比べるとかなり異質なものだ。そういうと、”何がそんなに異質なのか?”と訝しく思われる方もおられるだろうが、以下の事実を知れば納得して頂けるだろう。


廓庵版では牛の色は最初から最後まで黒色のままだが、普明版を見ると牛の色は黒から白へと漸次変化している。この事実は一体何を意味するのだろうか?牛の色にどんな秘密があるのだろう?

そこで、廓庵版以外の牧牛図ではどうなっているのか見てみよう。

 

例えば、普明版、自得版などでは、黒牛が鼻先から徐々に白くなってゆき、ついには完全に白牛となる。白牛に最初の面影はなく、あたかも穢れが祓われ浄化されたかのような印象を受ける。

 

次に、江戸時代初期に日本で書かれた月坡版をみると、長年廓庵版に慣れ親しんだのにもかかわらず、黒牛から白牛へと変化させている。そして、雪庭版や巨徹版をみると、最初から最後まで白牛のままだ。

 


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