一般財団法人 野萩青少年育成財団
記事一覧に戻る

禅の十牛図 考-33

2024-11-14 著者:小山一夫

原文保存・内容校閲前/画像は元サイトから読み込みます。

禅の十牛図について技術的な側面から解説します。
(「悟りに至る十牛図瞑想法」より)
***********************************************



阿含経と最上の牛
このように世界にはたくさんの牧牛(象&馬)図が伝えられているが、仏教には当初からこのような考え方があったのだろうか?或は、昔からインドでは牛を神聖な動物として扱っているが、それが牧牛図の起源なのだろうか?


かつて、それについて原始仏典を調べたことがある。そこで見つけたのが次の二つの経典だ。共に「阿含経・中部経典(マッジマ・ニカーヤ)」に収録されているので、興味のある方は「原始仏典」第4巻中部経典1(春秋社)を読まれるといいだろう。


1.大牧牛経・・法と律の発展を阻害する11の要因と、増進させる11の条件。
2.小牧牛経・・彼岸に安全に渡るための心得。


「牛」ということで熟読してみたが、「牧牛」の本来の趣旨にはやや合うものの(第3章で詳解)、今回テーマにしている牧牛図のようなものではなかった。元より釈迦の名であるゴータマ・シッダールタとは、”ゴータマ=最上の牛”、”シッダールタ=目的を達成した者”の意味だそうだし、またヒンドゥー教でも牛は神聖な動物として扱われてきた。だからそれらの影響もあって牛を題材とした経典が書かれたのかもしれない。ちなみに中阿含経には他にも、小象跡喩経、大象跡喩経、小牛角沙羅林経、大牛角沙羅林経など象や牛にまつわる経典名が散見できる。

 


元記事