2025-03-27 著者:小山一夫
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禅の十牛図について技術的な側面から解説します。
(「悟りに至る十牛図瞑想法」より)
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第3章 第四 得牛
序
久埋郊外、今日逢渠
由境勝以難追、恋芳叢而不已
頑心尚勇、野生猶存
欲得純和、必加鞭撻
久しく郊外に埋もれて今日渠(かれ)に逢う
境(きょう)、勝(すぐ)るに由(よ)って以て追い難し、芳(ほう)叢(そう)を恋(した)うて而も已(や)まず
頑(がん)心(しん)尚(なお)お勇み、野生猶(なお)存す
純(じゅん)和(な)を得んと欲せば必ず鞭(べん)撻(たつ)を加えよ
頌
竭尽精神獲得渠
心強力壮卒難除
有時纔到高原上
又入烟雲深処居
精神を竭(けつ)尽(じん)して渠を獲得す
心強く力壮(さか)んにして卒(にわか)に除き難し
有る時は纔(わず)かに高原の上(ほとり)に到り
又煙雲深き処に入って居(きょ)す
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久しく神聖な場所の外に隠れていた仏性(真我(プルシャ))の全体像を、遂に観ることができた。だが、真我はふわふわと浮きながら離遊していて、身体の中府に鎮めるのが難しい。四方に広がる心地よさに惹かれていて、包み込まれるように安定してくれない。頑(かたく)なで、終始動き続けているので、統制が及ばずなかなか制御できない。和(ムスビ)を得ようとするなら、しっかりと強く命じなければならない。
郊外は町の外、町から野に出る辺り。郊は、交木を燃やして雨乞いの祭りを行なう場所、
祭祀を行なう神聖な場所のこと。この意味で郊外という場合は、神聖な場所の外という意味。
埋は、土の中に埋める、覆い隠すの意。
渠は、第3人称代名詞、身心の支配者、「臨済録」宝鐘三昧にも登場。
渠渠といえば、立派なさま。渠(きょ)魁(かい)といえば、首領、頭目(とうもく)の意。渠の類似語である「他」は、同(・)レベルでの三人称。
渠は、自分より上、謙譲的、溝(みぞ)から見上げるという意味を持った三人称。
境は、対象、感管と心によって知覚され思慮される対象。
境智といえば、境は認識の対象、智は対象を観照する智慧。
境致といえば、円相のようなもの(碧巌録)。六境といえば眼・耳・鼻・舌・身・識のこと。
勝るは、力+朕(舟+両手で持ち上げる姿)で浮力の意に通ずる。芳は、香りが四方に広がるさま。
叢は、草むら。叢林といえば、僧の集まり住む寺院。
已は、象形文字で頭と身体ができかけた胎児をあらわす。例えば包は、胎児をつつむさま。
和は、やわらいでいるさま、一緒に融け合うの意。
鞭は、鞭で打つ、怠らないように強く励ます。鞭は革+便で、軽くひらひらと波打つの意。
撻は打ちのめす、強く励ます。撻は手+達で、勢いよく通る。