2025-06-11 著者:小山一夫
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禅の十牛図について技術的な側面から解説します。
(「悟りに至る十牛図瞑想法」より)
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第3章 第八図 人牛倶忘
序
凡情脱落、聖意皆空
有佛處不用遨遊、無佛處急須走過
兩頭不著、千眼難窺
百鳥含花、一場懡*
凡(ぼん)情(じょう)脱落し、聖(しょう)意(い)皆空ず
有(う)仏(ぶつ)の處、遨(ごう)遊(ゆう)することを用いず
無(む)仏(ぶつ)の処、急に須(すべか)らく走過(そうか)すべし
両頭に著(じゃく)せずんば、千眼も窺(うかが)い難(がた)し
百鳥華を啣(ふく)む、一場の懡(も)*(ら)
頌
鞭索人牛盡屬空
碧天遼闊信難通
紅爐焔上爭容雪
到此方能合祖宗
鞭索(べんさく)人(じん)牛(ぎゅう)、尽(ことごと)く空に属す
碧天(へきてん)遼(りょう)闊(かつ)として信(しん)通じ難し
紅(こう)爐(ろ)焔上(えんじょう)、争(いか)でか雪を容(い)れん
此(ここ)に到って方(まさ)に能(よ)く祖宗に合(かな)う
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<参考> ニルヴァーナと輪廻
「人生の苦悩から離脱した境地をインド一般では『解脱』と呼んでいるが、仏教ではときには『ニルヴァーナ』と呼ぶことがある」(「原始仏教の思想Ⅰ」中村元著)。もともとジャイナ教などで説かれていたニルヴァーナという観念を仏教が採用したというのが真相らしい。原義は、「灯火の消え失せること」。中村元博士によれば、大乗仏典でもニルヴァーナという言葉が「涅槃に入った」という意味ではなく、「身が消え失せた」、「死んだ」という意味で用いられていたことがあるという。
他方、輪廻だが、原意は「流れること」。現代のサンスクリット語やヒンドゥー語では、「世の中」「世界」という意味で用いられており、これはかなり古い時代にまで辿(たど)れる。佛教語大辞典によれば「漢訳仏典に『輪廻』とあるからといって、すべて『生まれ変わる』という連想でのみ解するのは誤りである」とのことだ。