2025-07-08 著者:小山一夫
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禅の十牛図について技術的な側面から解説します。
(「悟りに至る十牛図瞑想法」より)
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第3章 第十図 入鄽垂手
序
柴門独掩、千聖不知
埋自己之風光、負前賢之途轍
提瓢入市、策杖還家
酒肆魚行、化令成仏
柴門(さいもん)独(ひと)り掩(おお)うて、千(せん)聖(しょう)も知らず
自己之風光を埋(うず)めて、前賢(ぜんけん)之途(と)轍(てつ)に負(そむ)く
瓢(ひさご)を提(さ)げて市(いち)に入り、杖(つえ)を策(つ)いて家に還(かえ)る
酒(しゅ)肆(し)魚行、化(け)して成仏せしむ
頌
露胸跣足入鄽來
抹土塗灰笑満顋
不用神仙真秘訣
直教枯木放花開
胸を露(あら)わし足を跣(はだし)にして*(てん)に入り来る
土を抹(まつ)し灰を塗って笑い顋(あざと)に満つ
神仙真秘の訣(けつ)を用いず
直に枯木をして花を放って開かしむ
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道家の牧馬図
道蔵に含まれる圓明老人作の「上乗修真三要」巻上に基づく牧馬図は、馬を捕まえたところから始まる。13図の内の途中までは、色の点を除くと、ほとんど普明版の牧牛図と同じ組立てだ。どちらが先かはわからないが、明らかに一方を参考にしている。
馬の色は最初から最後まで白色で変化はしないが、終幕が市中で垂手するという話にはなっていない。馬と人間は11図で同時に姿を消し、仙人のような存在が円相と思われる中に描かれている。中国禅は道家の影響を受けているので似ていても不思議はないが、最後のところは普明版のような消融にはなっていない。これは目指す境地の違いを表しているのだろう。
<脚注>
九種心住・・第一心住から順に、内住、等住、安住、近住、調順、寂静、最極寂静、専注一趣、等持。菩提道次第論(ツォンカパ)の「大士の道の次第-止住の修習」参照。