一般財団法人 野萩青少年育成財団
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ヨーガスートラ 考-53

2025-08-31 著者:小山一夫

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ヨーガスートラについて技術的な側面から解説します。
(「ヨーガの極意」より)
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「タントラ思想とインド教とは同時に起こったということができる。(中略)しかしながら、この新しい形のバラモン系の宗教は内実的には旧来のバラモン教とは非常にちがったものであった。この新しい宗教では、人格神的色彩の強いシヴァとヴィシュヌが最高神としてあがめ祭られた。シヴァ神を信仰するインド教の宗派のなかからシャクティ女神を信仰する宗派が生まれてくる。シャクティは『ちから』という意味で、シヴァ神が世界を創造する時の創造力を具現したものと考えられているが、しかし、この女神信仰の出現には、原始的な女神信仰や陰陽神の信仰の復活が根本動機となっていることは疑えないのである。そして、特に密教ヨーガはシャクティ信仰と密接な関係を持っている。」(「ヨーガの宗教理念」P235)

世界各地で広く行われているハタ・ヨーガは、このシャクティ信仰の流れをくむゴーラクシャ・ナータによって開発されました。


彼のハタ・ヨーガは「一つの完成されたシステム」を有し「シャクティ派の女神信仰と、インド神秘思想の共通の目的である解脱へのあこがれが生きている」(「ヨーガの宗教理念」P237)とのですが、ここでの解脱観は先のヴェーダーンタ哲学とは異なるものでした。シャクティ派の思想では、次のように考えます。

「世界創成に関して、密教的思想の体系のなかでは、純粋な精神原理であるシヴァ神と、その精神原理が具体的世界を創造してゆくときの力としての原理であるシャクティ女神との一対の原理が必要とされるが、この二つの原理は造られた世界の各存在のなかに内在していると考えられている。人間についていえば、純粋精神であるシヴァは頭の頂上にあるサハスラーラという座(チャクラ)に鎮座し、その具体的創造力であるシャクティは脊柱の最下底にあるムーラーダーラという座に休らっている。通常この偉大な創造力または具現力であるシャクティは潜勢的な状態にあって働かずに、その二次的な現象であるプラーナ(生気)が身体を支持し、働かせる仕事をやっている。この平素は脊柱の下底で『眠っている』力を目ざめさせ、脊柱の中心を通じている気道を登らせ、終極的に頭の頂上のシヴァに合一させることが、ヨーガ行のねらいとなる。つまり肉体の力を霊魂の中へ没入させるのが密教ヨーガの目的である。この両者の結合は三昧、忘我の中で実現するもので、この時全身に法悦が満ち、個人意識は至高な宇宙意識と合一するのである。」(「ヨーガの宗教理念」P238)

これは従来のヨーガの考え方とはかなり異なるものでしたので、それに基づいた独特な技法体系が編みだされました。それがハタ・ヨーガ、マントラ・ヨーガ、クンダリーニ・ヨーガなどの密教ヨーガです。
 


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