2025-08-27 著者:小山一夫
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ヨーガスートラについて技術的な側面から解説します。
(「ヨーガの極意」より)
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そこで先ず、ヨーガスートラの背景について考察したいと思います。
「サーンキャ哲学は二元論的多元論という世界哲学史上でめずらしい体系を持った形而上学です。二元論というのは、世界の究極原理を真我(プルシャ)と自性(じしょう/プラクリティ)の二つに分けることです。両者は絶対に同一起源にさかのぼることはできないし、融合して一つになることもありません。永遠に相容れず、互いに独立した形而上学的原理なのです。では何故、多元論というのかというと、自性は世界で唯一の根源的実在だが、真我の方は生き物の数だけあると主張するからです。」(「ヨーガ根本経典」P39)
このサーンキャ哲学はもとよりヨーガの心理学的考察を基盤として発達したものですから、表裏の関係にあるヨーガ行法を理論化する上でも最適なアイテムでした。そしてサーンキャ哲学を体得する為の行法として、精密に再構成され、理論武装した上で成立したのが、サーンキャ・ヨーガと呼ばれる体系なのです。
このサーンキャ・ヨーガ理論の集大成ともいえるヨーガスートラでは、最初に「ヨーガとは心の作用を止滅することである」(1-2)と述べ、次に「心の作用が止滅されてしまった時には、純粋観照者である真我は自己本来の状態にとどまることになる。」(1-3)と続けています。そして「その他の場合にあっては、真我は、心のいろいろな作用に同化した形をとっている。」(1-4)とのことです。
では、この定義の基となった「サーンキャ哲学に於ける解脱観」とは、如何なるものなのでしょうか。