2026-02-09 著者:小山一夫
原文保存・内容校閲前/画像は元サイトから読み込みます。
ヨーガとタントラについて技術的な側面から解説します。
(「ヨーガの極意」より)
***********************************************
たとえば、密教の真言や陀羅尼(だらに)にしばしば登場する「唵(おん)」という文字は、インドで古来より聖なる音として尊重されてきたオーム(AUM)の音写です。
バジアン師は、これをオング(ONG)と表記し、ほとんど口を閉じた状態で、身体の深部を振動させるように発しなさいと言われました。閉口して舌の先端を上顎に当て、骨伝導的に声帯からの振動を伝えるわけですが、正確にアジニァー・チャクラに響かせる為には、その当て方にちょっとしたコツがあります。もっともいろいろ試してみれば、とくに指導を受けずとも、丁度よい位置と強さがわかることでしょう。
結論としては、脳や肉体の目的とする所へ正確にピンポイントで振動を伝える為に、如何にして声帯を振動させ、その響きを伝えるのか、ということがここでの課題なのです。
ところでヘッセの「シッダールタ」にも、マントラの発し方についての記述があります。
『すでにして彼は、ことばの中のことばなる「オーム」(唵)を、声を出さずに口に発し、吸う息とともに、声を出さずに自分の中に向かって言い、吐く息とともに、声を出さずに自分の中から外に向かって言うことができた。魂を集中し、明思する精神の輝きに額を包まれて。』(新潮文庫)
このようにマントラも、ただ普通に外に向かって発声するだけではありません。高校生の頃に同書を読んだ時は、全く意味がわかりませんでしたが、後日ヨーガを修練した際に、なるほどと大いに頷くことが出来ました。