2026-03-21 著者:小山一夫
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昔書いた日記からいくつかアップします。
2002-10-18
滝行について
密教修行者の定番的荒行として知られるのが滝行だ。
真冬に氷を割って滝壷に座ると、突き刺すような痛みと冷たさに感覚が無くなってくる。足などつねっても痛みなど全くないくらいだ。それが心臓まで行くと死んでしまうらしい。頭が真っ白になる直前、心臓のすぐ下まで麻痺した頃に、動かぬ足を叩きながら体を引きずるようにして滝から這い出る。
回数券を買って高尾山の蛇滝によく通ったが、雪の日よりも凍りつくような夜が一番辛かった。山小屋に泊まり、仮眠を取りながら、夜の10時、12時、2時、4時と深夜に4回ひとりで入滝する。終わった後は体が冷え切り、体の震えが止まらない。特に上下の歯が顎が痛くなるほどぶつかり合う。山小屋に戻って湯呑の塩湯を飲むと、口から喉、食道、そして胃で熱を感じる。ホッとする一瞬だ。
蛇滝はかって真冬の滝行で何人も死んだという場所だが、確かにひとりで取組むには相当な覚悟が要る。丁度その頃、ヨーガもやっていたので、滝に入る前に先ず火の呼吸を5分くらいやった。そして滝に打たれて体が凍えてきたらまた火の呼吸、それで体温制御を図りながら、滝行にチャレンジしたわけだ。
ある朝、滝から出て、体をタオルで拭こうとした時に、背中から炎が上るような感覚に襲われ、全身から物凄い湯気が出た。鳥肌は全くない。その後、気温がかなり低い時だけだが、同様の事が何度も続いた。バジアン先生は昔ヒマラヤで修行していた頃、雪の中に座し火の呼吸をやっていたら、自分の周りだけ雪が溶けて積もらなかったそうだが、私も経験的にそれに近い感覚をえられたので想像に難くない。火の呼吸の凄まじさを語る一例である。