2026-04-01 著者:小山一夫
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昔書いた日記からいくつかアップします。
2002-9-21
「肉体の悪魔」レイモン・ラディゲ-1
映画「肉体の悪魔」
レイモン・ラディゲ原作 1947年仏 監督:クロード・オータン・ララ
出演者:ジェラール・フィリップ 、ミシュリーヌ・プレール
時代は第1次世界大戦末期のパリ、ジェラール・フィリップ扮する高校生フランソワと看護婦マルトの悲恋。ラディゲの原作の素晴らしさが実によく映像化されている。
この原作は、後にオーストラリアで1985年に、また1986年にはイタリア・フランスの合作でリメイクされるが、ジェラール・フィリップ主演の第1作目にはとてもかなわない。それほどに、この1947年の作品は細部まで完成度が高いといえる。
この原作はラディゲ(1903-1923)の処女作であり代表作だ。かのジャン・コクトーに支持されてこの作品は世に出たが、惜しむらくは20歳で他界したことだ。そしてもうひとつの珠玉「ドルジェル伯の舞踏会」は1924年若くして逝った彼の死後、刊行された。
ラディゲは私の大学時代フランス語のレポートに選んだ作家だったが、ラディゲ全集(雪花社刊)を熟読するたびに、彼の文学的才能と洞察の深さに驚いたものだ。 世の中には天才といえる人間が本当にいるのだと知った。
「レイモンよ、世界は君のために価値に満ちみちていた!
空いっぱいに、その高さまで君の椅子だ。
君は冷たくて気持ちのいい空気の中で
僕らの生活を真理に変える
君は言葉もなく身じろぎもしないで夜通し見守っていた
君の兄弟の天使たちが君から離れないようにと。
君は、君がいつも生活している空まで昇る。
君は、精神で生きる、君を迎え入れるのは精神なのだ。
いきいきとした花と葉の緑の茂みの上に。
しずかな文字の愛! ああ愛よ!」
(マックス・ジャコブ「レイモン・ラディゲの精神」より)