一般財団法人 野萩青少年育成財団
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2002年の日記から―32

2026-04-01 著者:小山一夫

原文保存・内容校閲前/画像は元サイトから読み込みます。

昔書いた日記からいくつかアップします。

 


2002-9-21
「肉体の悪魔」レイモン・ラディゲ-1


映画「肉体の悪魔」

レイモン・ラディゲ原作 1947年仏 監督:クロード・オータン・ララ  
出演者:ジェラール・フィリップ 、ミシュリーヌ・プレール


時代は第1次世界大戦末期のパリ、ジェラール・フィリップ扮する高校生フランソワと看護婦マルトの悲恋。ラディゲの原作の素晴らしさが実によく映像化されている。


この原作は、後にオーストラリアで1985年に、また1986年にはイタリア・フランスの合作でリメイクされるが、ジェラール・フィリップ主演の第1作目にはとてもかなわない。それほどに、この1947年の作品は細部まで完成度が高いといえる。


この原作はラディゲ(1903-1923)の処女作であり代表作だ。かのジャン・コクトーに支持されてこの作品は世に出たが、惜しむらくは20歳で他界したことだ。そしてもうひとつの珠玉「ドルジェル伯の舞踏会」は1924年若くして逝った彼の死後、刊行された。

 

ラディゲは私の大学時代フランス語のレポートに選んだ作家だったが、ラディゲ全集(雪花社刊)を熟読するたびに、彼の文学的才能と洞察の深さに驚いたものだ。 世の中には天才といえる人間が本当にいるのだと知った。


「レイモンよ、世界は君のために価値に満ちみちていた!
 空いっぱいに、その高さまで君の椅子だ。
 君は冷たくて気持ちのいい空気の中で
 僕らの生活を真理に変える 
 君は言葉もなく身じろぎもしないで夜通し見守っていた
 君の兄弟の天使たちが君から離れないようにと。
 君は、君がいつも生活している空まで昇る。
 君は、精神で生きる、君を迎え入れるのは精神なのだ。
 いきいきとした花と葉の緑の茂みの上に。
 しずかな文字の愛! ああ愛よ!」 
 (マックス・ジャコブ「レイモン・ラディゲの精神」より) 
 


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