2026-04-24 著者:小山一夫
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昔書いた日記からいくつかアップします。
2003-1-19
偏差-2 白隠「軟酥の法」
白隠禅師の禅病についてはかなり有名だが、禅もまた古くから禅病、魔禅という言葉等で偏差について警告してきた。真面目に坐禅をやるほどおかしくなるというのでは本末転倒。何の為にやっているのかわからない。勿論皆が皆おかしくなるわけではないが、本来なればもっと技術的に安全性が確立されて然るべきだろう。気功(武術気功を含む)やヨーガについても同じ事だ。そこでまず始めに白隠禅師の禅病について考察したい。
白隠は26歳のとき、坐禅に励んだ為に禅病になり、京都白川村の山中で内観の法に通じた白幽子という仙人を訪ね、「軟酥(なんそ)の法」という独特な瞑想法を学び禅病が回復した旨を「夜船閑話」に記している。
ここで注目したいのは、禅の体系に禅病の治療法がなかったことだ。仙人といえば道家の修行者である。禅宗の偏差を道家の方法で治療したというのでは実に情けない。
さてこの「軟酥(なんそ)の法」だが、極めて似かよった技術がチベット密教の中にある。「吉祥秘密集会成就法清浄瑜伽次第」という経典の49法の48番目「身体を壮健にさせる真実」だ。(長文の為引用は省略する)
この後期密教経典の成立は8世紀なので、チベットから中国に至り道家の修行法に取り入れられたとしても不思議はない。17世紀の白隠は時期的にも充分学べたわけだ。だが、中国の養生医学は当時既に相当高いレベルにあったので、必ずしもこのインド的技術がルーツだと断定する事は出来ない。