2026-05-21 著者:小山一夫
原文保存・内容校閲前/画像は元サイトから読み込みます。
昔書いた日記からいくつかアップします。
2003-2-10
タントリック・ヨーガ-15 灌頂
レッド・タントリック・ヨーガを考える時、参考になるのがチベット密教の灌頂次第だ。例えば秘密集会タントラに基いたでは4段階の灌頂によって構成されている。(瓶灌頂・秘密灌頂・般若智灌頂・第四灌頂)
中沢氏は下記のようにニンマ派の修道プロセスを説明しているが、派によって異なる事は言うまでもない。いずれにしても、無上瑜伽タントラの灌頂である以上、タントリック・ヨーガをベースとした数段階の灌頂を経てゴールに至ると言うことだ。
まず瓶灌頂だが、これは日本密教の灌頂式によく似ているのでここでは省略する。生起次第を受ける為に必要な灌頂だと押えておけばいい。性瑜伽絡みで言えば、問題は次の秘密灌頂からだ。これは究竟次第実修の許しを得る為に必要な灌頂だ。本来的には、修道者は師僧に性瑜伽の相手としての女性(神妃)を献ずる。かっては実際に次第通り行なわれていたが、(ツォンカパ以降と思われるが)現在ではゲルク派等では実践を伴わずに観想にて代替される。(派によっては実際に性瑜伽を実践している)
師僧はこの女性と交わり、チャンダリー(臍のチャクラ)を活性化させ熱(チャンダリーの火という)を生みだす。その火のエネルギーと共に忿怒尊と合一した師僧はルンを制御しながら、精液(菩提心と言う)を神妃の経血と混合させ、弟子の修道者の口中に注ぐ。この様に内容が性瑜伽に重点を置いたものであるため、誤解を招かぬように灌頂次第は秘密扱いになっている。
次の般若智灌頂では、秘密灌頂で菩提心を受けた修道者自らが女性(神妃)と交わる。修道者は自分の中央脈管に何度もルンを通じさせ(循環)、大楽を生起し、佛と感合する。そして最後に自らの精液と経血の混合液を服用し楽空無別智を得る。第四灌頂は、性瑜伽によらず師僧の言葉による伝法とされている。これは所謂タントリック・ヨーガのシャクティパッドを伴うと想像できる。
<参考>
中沢新一氏の「虹の階梯」によれば、次の通り。
『透明に輝くあなたの身体の中で、とりわけ、頭頂、のど、胸、へその四つの輪(チャクラ)をみたした甘露がひときわ強い光を放つようになるだろう。(中略)甘露が頭項大楽輪をみたす時、あなたは快感にみたされ、行為のもたらした汚れを浄化する「瓶の灌頂」を得たといわれる。のどのチャクラをみたすと、このうえもない快感にみたされ、煩悩をのぞく「秘密灌頂」を得る。甘露が胸のチャクラをみたす時、特上の快感をおぼえ、叡智をはばむ障害をのぞく「智慧の灌頂」を受ける。そして、へそのチャクラにまでたどりつくと、あなたは「具生」と呼ばれる甚深の快感を味わい、アーラヤ識を浄化する「言葉の灌頂」を受けたことになるのである。」