一般財団法人 野萩青少年育成財団
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中国医学 考―9

2026-08-01 著者:小山一夫

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昔書いた日記からいくつかアップします。

 

 

この時代の名著としては、「難経」、「本草経集註」、「脈経」、「肘后方」、「諸病源候論」、「甲乙経」、「外台秘要及要略」等がある。


「難経」は具体的に針法について書かれた最初の本である。その内容は、診断学、経絡学、生理学、病理学、解剖学、治療学などについて問答形式を採り81のテーマについて答えている。(秦越人著)


「本草経集註」は中国薬物学の原典といえるものであり、「本草経」での上薬、中薬、下薬という3分類に加えて薬味と薬気つまり薬性について言及している。薬気とはあらゆる薬物を熱性、温性、平性、涼性、寒性に分け、また薬味とは薬物が与える味覚のことであり、酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(カンミ・塩辛いこと)に分類される。この原理は食餌法にも適用され、薬療医学のみならず養生医学の分野でも後世の研究に多大な貢献をしている。(陶弘景著)


「脈経」は脈診法についての専門書である。脈診を系統化させた最初の理論診断学についての本としての価値はあるが、内容的には古来からの脈学を寄せ集めたものでしかなく、臨床に役立つものは一割程度に過ぎない。(王叔和著)


「肘后方」は「抱朴子」と同じ著者による書である。薬療医学の実践書としては「傷寒雑病論」以後の名著といえる。(葛稚川著)


「諸病源候論」は中国における最初の病症分類学書として名高い。記載されている病候論は1720条に亘り、病因、病理、病状について当時としてはかなり信憑性のある記述がなされている。後世の「千金方」、「和剤局方」などはこの書を根拠として治療法の解説を試みている。(巣元方著)


「甲乙経」は正式には「黄帝三部針灸甲乙経」といい、晋以前の針灸学の成果を集大成させた書である。後世の名著と比べれば内容的に見劣りするが、この時代としては充分評価に値するものである。(皇甫謐著)


「外台秘要及要略」は薬療医学書であり、神秘湯など今日でも多用されている方剤がいくつか記載されている。(王トウ著)
 


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