一般財団法人 野萩青少年育成財団
記事一覧に戻る

中国医学 考―7

2026-07-30 著者:小山一夫

原文保存・内容校閲前/画像は元サイトから読み込みます。

昔書いた日記からいくつかアップします。

 

 

傷寒論の基礎理論として八綱理論と六経理論があげられる。
前者は、症候によって「病位」、「病性」、「病勢」を陰陽、表裏、熱寒、実虚に分類し、後者は、症候によって「病期」を太陽、少陽、明陽、太陰、少陰、厥陰に分類している。八綱理論は、二者択一の傾向分類法を採用して症候を分析し、六経理論は、病期を六期に分ける時間的分類法を意図している。


治療手段としては、湯液医学に基く方剤を使用するが、本書の方剤はある定まった薬物構成によって成り立ち、その加減方には一定の法則がある。この法則に従わずに加減行為が行われた場合、殆ど効力がなくなり治療効果を期待できない。


そもそも方剤の組み立て原理は、垂直関係の派生原理を採用している為、基本薬物をベースにその他の薬物を「証」によって加減しつつ複合的に組み合わせてゆく手法を採っている。


歴史的に見ると、相反傾向の分類原理は後世の病候論において必ずしも堅持されていないが、垂直関係の派生原理は今日に至るまで基本的な修正を与えられていない。いずれにしても本書は中国の薬療医学を体系化した最初の書物であり、著者の張仲景は医聖として敬われ、また後世医界の孔子とも呼ばれている。

他に、現存する著作はないが、中国医学の外科の元祖として有名な華佗について触れておきたい。華佗は外科手術において「麻沸散」という全身麻酔を目的とした処方を多用したとされている。又、針灸医学と養生医学にも長じ、特に築基法の中の導引法を得意として後世に伝わる「五禽戯」という技法を編み出した。


魏の曹操に殺害される際に自分の書いたものを全て焼き捨ててしまった為に著作は全く残っていない。華佗の作と言い伝えられている「中蔵経」は後世の偽作である。
 


元記事