2026-09-24 著者:小山一夫
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昔書いた原稿からいくつかアップします。(「アスリートバイブル」より)
○ 火の呼吸の卒業
ところで、クンダリーニ・ヨーガは大変複雑で繊細な技法体系だ。独学でマスターできるような安易な代物ではない。基本をきちんとマスターした上でひとつひとつの行法を正確に練習してほしい。そして3~6月位練習したら、前述の3段階を思い出して、ひとつ上のやり方に進んでもらいたい。
ヨーガは深奥に近づくほど、シンプルで穏やかな技法になってゆく。火の呼吸もなくなり、徐々に汗もかかなくなるので、何となく物足りなく感じる方もいるだろうが、本質に迫るにつれより繊細にそして絶妙なバランスを要求される。
私は常々5年も10年も汗を流して必死にヨーガをやっているようではダメだと言っている。出来れば3年程度で火の呼吸を卒業し、更なる高みへ進んでもらいたい。そうすれば一日に2~5分程度のトレーニングで充分なのだ。いつまでも長時間ヨーガをやっているようでは情ないと思う。クンダリーニ・ヨーガをやる以上、徐々に量よりも質の向上を心掛けて欲しい。勿論最初の1~2年は相当な努力が要求されるだろう。ここで紹介するメニューも簡単ではないと思う。
だが、次の段階に進むには別の鍵が必要だ。初期の段階で必要なものが、後日目的の達成を妨げてしまう。ある部分の封印を開ける鍵は全ての封印の鍵ではないのだ。金科玉条の如くいつまでも初歩的なメニューに拘っていると、或いは前述の「本来のクンダリーニ・ヨーガ・レベル」に進んでいないならば、たとえ何十年熱心に続けたとしても初歩段階で留まっている事だろう。
ヨーガでも武道でも技の数を沢山集めて自己満足している人をしばしば見かけるが、そのよ
うな人で大成した人を私は知らない。より繊細に内観を充実させ、ヨーガの深奥に至られん事を切に願う。枝葉を追うのではなく、その原理を真摯に探求することこそ道を極めるための近道なのだ。