では、中国医学には何ができるのか。私は、標準治療に代わるのではなく、その治療を受ける人間全体をどこまで支えることができるのか、という問いを考えたい。
そのために、まず中国医学の基本文献である『黄帝内経』から出発する。そして、ガンと血流、経絡医学、鍼灸・方剤・内功法、食養、さらに生命力と恒常性という問題へ進んでいく。
内容は多岐にわたる。しかし中心にある問いは一つである。ガンだけを見るのではなく、ガンと向き合っている一人の人間全体を見る。その視点から、中国医学が現代のガン治療をどこまで補完できるのかを考えてみたい。
(注)本書は、中国医学をガン治療の代替として用いることを勧めるものではなく、現代医学による標準治療を基本としたうえで、補完としてどのように生かすことができるかを考察したものである。ただし、ガンの種類、病期、治療内容、全身状態などによっては、本書で述べる鍼灸、食養、内功法などが適さない場合も考えられる。とくに治療中は身体の状態が変化しやすいため、実際に行う際には主治医をはじめとする医療者に相談し、その医学的判断を優先していただきたい。