一般財団法人 野萩青少年育成財団

漢方薬でガンは治るのか?

先行公開・2026年10月11日

第1回 前書き

はじめに

がんに対する漢方薬(中医学的治療を含む)の役割について、腫瘍そのものを縮小・消失させる効果への期待は限定的であり、主に症状緩和や抗がん剤副作用の軽減といった支持療法として位置づけられる、という認識が出発点となった。

その過程で、動物実験や中国での臨床報告の解釈、さらには「証」に基づく中医学の論理と西洋医学的な試験デザインとの根本的な相違が検討の中心となった。

本書では、特に「証の流動性」と「固定的介入による試験の妥当性」という問題を中心に、漢方薬と抗がん剤の併用について考えてみたい。

さらに、近代中国医学を代表する張錫純の「衷中参西」という考え方を手掛かりに、単に「抗がん剤に漢方薬を足す」という方法から一歩進み、抗がん剤そのものが患者の身体に与える影響まで含めて考える可能性について検討する。

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