一般財団法人 野萩青少年育成財団

気功はガンを治せるのか?

先行公開・2026年10月11日

第3回 第1章 気功とは何だったのか 古代の養生から現代気功へ (1)1 「気功」という名称から古代を見ない(1/3)

第1章 気功とは何だったのか
古代の養生から現代気功へ

1 「気功」という名称から古代を見ない

今日「気功」と呼ばれているものを、そのまま二千年以上前の中国に遡らせることには慎重でなければならない。現在の気功に含まれる身体技法は古くから存在するが、導引、行気、吐納、服気、調息、静坐、存思、按摩など、それぞれ異なる名称と目的を持っていたのであり、それらが初めから「気功」という一つの体系を構成していたわけではない。馬済人編著『中国気功学』も、気功を単一の古代技法として扱うのではなく、先秦、両漢、魏晋南北朝、隋唐、宋金元、明清、近代、解放後という歴史的展開の中に位置づけている。

本書は「昔から気功は病気を治してきた。したがって現代のガンにも効くはずだ」という論法を取らない。問うべきなのは、現在「気功」と総称される身体技法が、もともとどのような文脈で成立し、どのように医療や養生と関係し、何を目的として実践されてきたのかという点である。歴史的な位置を確認して初めて、郭林気功やスワイショウが何を継承し、何を変更したのかを評価できる。

2 身体を動かすという原初的経験

気功の源流を考える際、最初から抽象的な「気」の理論を想定する必要はない。人は疲れれば伸びをし、腰が重ければ身体を動かし、胸が苦しければ大きく息をし、痛むところがあれば手でさする。身体を動かした結果として不快感が軽くなる、呼吸を変えた結果として胸が楽になる、手で擦った結果として冷えや痛みが和らぐ。その経験が蓄積され、一定の再現性があると認識されれば、個人的な動作は方法となり、方法が整理されれば技法となる。

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