急がず ゆっくり。
急がずゆっくりやりませう。
近所へなら駆け足でも用は叶ふが、人生の道中は険はしく遠いんです。
徳川家康ではないけれど、「人生は重き荷を背負ひて坂を登るが如し」でせう。
急いであせっては、気持が先に疲れて終ひます。ゆっくり ゆっくりやりませう。
或る青年が云ひました。
先生、人生は努力てせふ。と、
結構ですが 此の青年も 私の若い時と同じに努力の考へ違ひをして居る様でした。
急いでいたのです。
成功を急で、無理を押し通すことが努力であると思っている様でした。
私も会社勤めの時代、ランニングシャツの背中に「努力主義」と大きく墨書して著ていました。ワイシャツにも書いてあった時もありました。
今、思ひ出しても恥かしいんですが、その頃は覇気満々で、無理でも何でもやって終へと云ふ意気だったのです。本当の馬鹿で、会社では有名でした。
