練になったら、もふ方向転換は出来ません。
鍛の時こそ、特に三年目でよく考へる必要があります。何時までも"鍛"の形の人があります。樽の底が抜けて居ないんでせふか。
或る日、或るお人が来ました。三十一才の方です。商売を初める と云ふのです。
私は云ひました。おやりなさい。そして早くその資本の三百万円をゼロにして終ふんですね と、
お客様は怒りましたよ、「いやな事を云はないで下さい。先生の噂をきいて指示を伺ひに来たのに、余りです」とさ、本当ですね、私は云ひました。「その事業をするのに、三百万円の資本は兎も角 第一、条件的によい場所を手に入れたか、第二、資本的な後援者か、後続の方針があるか、第三、その商売には他人の真似できない特徴があるのか、第四、には貴方の特異な才能、技術を加味するのか、第五、飽くまで協力する子飼ひの部下があるのか」と私は訊ねたでせふ。貴方は何もない と云った。だから、早く失敗しなさいと云ったのです。
右の5つあの条件の中、一つでもあれば 失敗せず、二つあれば 何とかなり、三つあれば成功なのです。
