若月佑孔の記事一覧

「炬」おしゃべり お母様へのお願ひ-2

著者:若月佑孔 / 元ブログ投稿日:2024-01-07

 

画家のことだから、画才があるとは申されません。金持の子だから、金持の才能があるとは云へません。貧乏人の子だから貧乏とはきまって居ません、牧師さんの倅で殺人変態があったし、有命な禅学者の倅がヨロメきで有名になる様に、「親に似ぬ子は鬼っ子」と云ったのは、先祖代々の職業をせねばならなかった徳川時代の言葉です。

子供の特技、性命は 親の特技や性命とは全然関係ありません。
 

そふ判ったら、彼の家では斯ふだから、私の処でも斯ふしませふ と云ふのは、親の真似して役者になれと云ふのよりもっともっと無責任ではありませんか。
 

いろいろと何でもやらせて見て下さい。二つ三つの躾を付け初める頃から、二十才前後まで、何でもやれやれと、いろいろ味はせてみて下さい。
 

その中、その子が夢中になって熱中し上手なものが二つ三つ出来て来ます。何故好きになったか考へて下さい、お友達が良いから好きになって居るのではないか 飽きっぽいのに何故飽きないで居るか、芸術的直観の働く子か、技術的数理の発達する素質の子か、等です。
そしてそれをどの様に伸ばしてやるか考へて下さい。
 

何をやっても駄目な子もあるんです。と云って"駄目"ときめる前に、お母様が「又、オモチャを壊はしたわネっ」と叱って居なかったか考へて下さい。
知らず知らずの中に 子供の行動を制約し、押へ付けて終って、少年、青年になって、自分の意志発表すら出来ない「おとなしい、良い子」になっている場合もあるからです。そして、矢張り駄目だと云ふ程度の子は仕方ないから、大学へでも入れて世間並の一人前の様にしてやるんです。そして成功させるんです。成功することは 出世より大分易しい様です。
 

元の記事