大学を出る、それから四五年むだめしを喰って勉強だ、そうしないと役に立たない。それを御本人は卆業すると、一人前だと考へて、満足して居る、それではもう、学問研究を注入することも出来ぬ、
大学院に這入ってからも、むだめし喰ひの研究期間はどうしても十年は入用、それでないと、立派な学者や教授は出来ないそうだ。
昔はのんびりして居たに相違ないが、「むだめし」をゆっくり喰うくせもあったか。立派な人が多い、ところが今はインスタント時代、大学卆業者も、インスタントラーメンの様に味は付いて居るが、湯を掛けると、すぐ役に立つやうなものだが、一杯も食べぬ中にいやになって終う、むだめしの研究を積んで居ないから、獨特の「持ち味」を持ってゐないのだ。
日本刀でも鍛鍊して、形を整へて、焼きを入れても、すぐ役には立たぬ、五年、十年と枯らしてからでないと安心して使へないものであると考へられた、
鋳物だって、鋳形から出して、すぐ旋盤にかけて型を合はせて仕上げても、必ず狂ひが来て役に立たなくなる、どうしても三年か五年は戸外にほうり出して雨や日光に帰さなくてはだめなのさ、
戰時中は速成だったからボロ飛行機ばかり出来たのもその為かも知れない。
だから、今、大学出をすぐ役に立つと思って使う方がまちがって居る、
