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「俺はこう思う」 繪と人生と-6

著者:若月佑孔 / 元ブログ投稿日:2025-05-17

 

これは余談であるが、十年程も前のこと、清元の師匠さんに連れられて、稽古先の新橋駅近くの旅館に行ったことがある、御主人六十年配の人がコタツに入って絵を書いて居られた。美人画だった様な気がする。


見ると、四囲にいろいろの絵が張ってある、芝居絵もある、南画もある、佛画、北画、大和絵、浮世絵、靜物、花鳥、そして、其の絵の中に、ゴチヤゴチヤと人形が彩色して並んである。


妙な感じがした。主人公は美人の髪の毛を一本一本丁寧に畫き乍ら、此は皆、私の書いたものなんですよ、俺はびっくりして終った。南画も花鳥も此の様に器用に畫きこなす人は、一体どの様な修練した人であろう非常に興味を持った。


“若い頃、少々絵の勉強をしましてね、今でも時々頼まれるんですよ


”それは良い、それは良いとして、佛画は佛画として立派であり、花鳥は花鳥として完成したものだが、妙だ!!然し合奌が行かぬ。変な絵だな、暫く考へたが何かピンと来ない。何か不足して居る。
 

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